Mindful Eating(マインドフル・イーティング)

食事の時間をゆっくりととっていますか?

ついつい早食いになってしまう。
仲間との話に夢中になって、食事を楽しんでいない。

そんな方も多いのではないでしょうか。

マインドフルネスの実践の中に、「食べる瞑想」というものがあります。

レーズンやナッツなどを手にとって、ゆっくりと観察する。
その後、口に運び、丁寧に味わって食べる。

丁寧に味わうというのは・・・

ゆっくりと噛んで、飲み込んで、喉から食道、体の中に入っていくことをイメージします。

食べる瞑想は、「Mindful Eating(マインドフル・イーティング)」とも呼ばれます。
食べる瞑想(食事をゆっくりと丁寧に、そして味わって食べる)をすることによって、普段はあまり気にしていない味や食感などに「気づき」を得ることができます。

レーズン・エクササイズ

マインドフルネスの普及に、多大な貢献をしているジョン・カバット・ジン博士。

博士の開発した、「マインドフルネス ストレス低減法(Mindfulness-based Stress Reduction, MBSR)」。
そのエクササイズの1つとして、「レーズン・エクササイズ(Raisin Excercise)」があります。

私たちは「瞑想」と聞くと、どうしても宗教的なイメージを描いてしまいます。

「座禅を組む。目をつぶり、心を落ち着かせる・・・」
のように。

「食べる瞑想」は、その思い込みを外し、マインドフルネスが仕事、家族、人間関係など、普段の生活の中で有用であることを知ってもらうためのエクササイズなのです。

「いま、ここ」
自分が何かをしている時に、そのしていること、感じていることをしっかりと意識する。
これが「マインドフルネス」の実践、そして目指すところの1つです。

「食べる瞑想」のやり方  ※『マインドフルネスストレス低減法』p.46より

1. レーズンを観察することに注意を集中する

まず最初に、レーズンを観察することに注意を集中します。
初めて見るようなつもりで観察します。
指でつまんだ感触を確かめ、色や表面の状態に注意をはらいます
こうしていると、レーズンやほかの食べものについてのいろいろな思いがわきあがってくるのに気がつきます
観察しているうちに、好きとか嫌いといった思いや感じも生まれてきます

2. 一粒のレーズンの本当の味を確かめながら、ゆっくりとかみしめる

次に、しばらくレーズンの匂いをかぎ、最後に、うまく口にもっていくために腕が手を持ち上げ、心と体が食べものを予期して唾液を出すのを意識しながら、唇にレーズンを乗せます。
そのまま口に入れ、一粒のレーズンの本当の味を確かめながら、ゆっくりとかみしめます。
十分にかんだら、飲みくだすときの感触を確かめながら飲みこみます。
飲みこむという行為でさえ、意識的に体験することができるのです。
飲みこんでしまうと、自分の体が、レーズン一粒分だけ重くなったような気がします。
実際にそう”感じる”ことができるかもしれません。

”食べ物に対する衝動というのは、非常に強くてコントロールしにくい”ということ、しかし、”それを簡単に満足させる方法がある”ということ、そして、”実際に自分がしていることに意識的になれれば、自分の感情をコントロールすることができる”ということを教えてくれます。

どうですか?
「食べる瞑想」、やってみませんか?